岩手育ちの俺にとって、夏に冷麺を食べることは小さい頃からの習慣になっている。
その昔、夏には冷やし中華!というのが当たり前であったが、休日、お袋が自営するお店で昼食の出前を近所の中華屋兼焼肉屋から取ることになり、お袋がとった冷麺を食べさせてもらった。お袋が、「これは辛いから大人が食べるもの!」というので、キムチが入ってない辛くないスープを飲ませてもらった。中華ではないあっさりとした中に牛骨ダシのコクのスープと独特のコシが特徴の麺に一瞬のうちに虜になり、それ以来、夏には決まって冷麺を食べていた。
また、当時、スーパーで市販されている冷麺は麺はともかくとして、その薄っぺらいスープには満足することができなかったのを覚えている。
その後、多くの冷麺店がオープンしたのは、俺が大学生で地元岩手を離れていた1990年頃。その店の一つで、ぴょんぴょん舎というのがあり、唯一、お土産品で、レトルトのストレートスープに生の麺が付いたものが売られ始めた。価格にして通常のお土産品の約二倍、生のため日持ちしないという代物であったが、自宅でここまでお店の味に近づけた冷麺が食べられるという商品の登場に飛び付いたものだった。
それから約20年経った今もぴょんぴょん舎とお土産品の冷麺は健在。東京の岩手アンテナショップの目玉商品となり、全国の主要なスーパーでも販売されている。
また、ぴょんぴょん舎は東京にも支店を展開。近所のスカイツリータウンにも出店したと聞いたので、早速ツレと行っていた。
通常は600円くらいで食べられる冷麺も、場所柄、1,000円と超インフラ価格で、かなり抵抗があったが、とりあえず食べてみた。
その懐かしい味は健在で、地元の人しか知らない別辛(辛さの源、キムチが別皿でついてくるので、自由に辛さが調整できる)という選択肢も健在。
小さな店舗で焼肉もなく、オシャレに食べるという雰囲気だったので、価格とともに消化不良だったが、まずは、近所で東京でも大好きな盛岡冷麺が食べられることに感謝。
ちなみに、普通に東京で食べられる冷麺は、韓国風冷麺で、麺にはそば粉が使用されているため麺は茶褐色で細く、歯ごたえもそこそこであるが、盛岡冷麺は麺が白くて太く、噛みごたえ十分。自分にとっては、盛岡冷麺が冷麺なのだ。
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